高齢者の高血圧

60代では6割以上、70歳以上だと7割以上の人が高血圧

血圧は加齢とともに上昇します。とくに収縮期血圧が上昇しますが、拡張期血圧はむしろ下降気味になります。

2006年の「国民健康・栄養調査」によれば、60代では61%の人が、70歳以上だと72%の人が高血圧です。

加齢とともに動脈硬化が進行し、腎機能も衰えてくるためですが、高齢者の高血圧には若い年代には見られないいくつかの特徴があります。

収縮期血圧と拡張期血圧の差を脈圧といいますが、高齢者の血圧の最大の特徴は、この脈圧が大きくなることです。
脈圧が大きくなると、収縮期血圧の上昇とともに狭心症や心筋梗塞など心臓病を引き起こすリスクが増えることになります。

また、高齢者の血圧はその日その日や時間帯で変化しやすく、立ちくらみ、食後血圧の低下や白衣高血圧の人が増えるなどの傾向も見られます。
さらに二次性高血圧の人やさまざまな合併症のある人も多くなっていると考えられています。

高齢者の高血圧の治療でも、まず必要なことは生活習慣の改善です。
食事、運動、嗜好品についたの改善が主に必要ですが、高齢者高血圧は食塩感受性高血圧を示すことが少なくありませんので、とくに減塩に心がける必要があります。

また、治療はゆっくりと慎重に行う必要があります。
血圧を急に大幅に下げると脳梗塞を招くこともあるほか、血圧の変動が激しい高齢者では、立ちくらみなどさまざまな不都合が出ると考えられているからです。
特に75歳以上の後期高齢者は、慎重かつゆっくりと血圧を下げていくことが大切です。

その他にも、高齢者の高血圧治療には、臓器障害や合併症のことも考えた食事とか、降圧薬の選択を必要とするなど、若い時とは少し違う面があります。

いずれにしても、正確に自分の血圧を把握しながら、じっくりと取り組むようにしましょう。

⇒「血圧を3日で改善する方法」

 

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