高血糖とメタボリックシンドロームの関係

血糖とインスリンの堂々めぐり

内臓脂肪がたまっているとインスリンの効きが悪くなり、インスリンが出ても血糖が下がらない状態になります。
この状態をインスリン抵抗性といいます。

インスリンの筋肉や肝臓への作用が鈍り、インスリンとしての効果が低下してくる状態です。
血糖値は低下せず、上昇してきます。
この時期の空腹時血糖は110mg/dl上、インスリン値は15μu/ml以上が目安にになります。

こうなると、インスリンはさらにこれでもかという具合に高くなってきます。
血糖とインスリンの堂々めぐりが始まり、糖尿病へ至る流れがつくらていくことになります。

糖尿病になりやすい人

日本人の糖尿病の約95%は、インスリンが分泌されていても、うまくはたらかない「2型糖尿病」で、残り約5%が、インスリンがほとんど分泌されない「1型糖尿病」です。
糖尿病の症状としてよくいわれるものに、尿が多い(多尿)、のどかかわく(口渇)、水分を大量にとる(多飲)などがあります。
また、食後眠たい、やたらとおなかがすいてよく食べる、疲れやすい、手足がしびれたり足がつったりするなどの症状もあげられます。
しかし、これらのほとんどはかなり進行してから現れる症状で、普通は発症から5〜10年は自覚症状がありません。

糖尿病は両親のうち一方が糖尿病だと、その子どもが糖尿病になる可能性は40%といわれ、両親ともに糖尿病であれば、確率はもっと高いといわれます。
さらに2型糖尿病にも遺伝的要素があり、これは遺伝子の異常がもとで、インスリンの分泌が遅れると食後高血糖になりやすいよいうもので、日本人では比較的高い割合でもっているといわれています。

内臓脂肪型肥満や過食、運動不足が糖尿病を招く2型糖尿病では、多くの人にインスリン抵抗性がみとめられます。
このタイプがメタボリックシンドロームです。
インスリン抵抗性は糖尿病の進行を左右する重要なファクターで、これを招くもとになるのが、加齢、肥満(とくに内臓脂肪型肥満)、過食、運動不足、妊娠・出産、慢性感染症、ストレスなどです。
遺伝的要素を変えることはできませんが、加齢以外の要素は自分の努力で取り除くことができます。メタボリックシンドロームの流れを意識して、現在の生活習慣をチェックしてみましょう。

⇒生活習慣病の食事療法

 

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